後十字靭帯損傷について
後十字靭帯の原因
後十字靭帯は膝関節内の靭帯で太ももの骨(大腿骨内顆の内壁前方)からすねの骨(脛骨顆部後方)に付着する靭帯です。
膝を曲げるときに太ももの骨(大腿骨顆部)の後方移動を誘導するとともに、すねの骨(脛骨)の後方偏位および内旋を制御します。
後十字靭帯損傷の発生機序
バイク事故やスポーツ外傷などで膝から転倒し、膝関節を約90°曲げた状態で前方から膝関節の下方(脛骨粗面部付近)に直達外力を受けて受傷する場合が多いです。
乗用車の追突事故では膝屈曲位で膝関節の前下方を打撲して受傷します。(ダッシュボード損傷)
後十字靭帯損傷の症状
通常、膝関節の前下方(脛骨粗面部付近)に、打撲による皮膚損傷を認めることがしばしばあります。関節血腫があり、すねの骨(脛骨)に後方ストレスを加えると膝裏に激痛がでます。
膝裏に皮下出血と圧痛があるのを見落とさないようにしましょう。前十字靭帯損傷に比べ膝の機能障害は少ないですが、後方不安定性の大きな例ではスポーツや階段の昇り降りなどで不安定感や膝蓋骨周囲に痛みなどの訴えがみられます。