野球肩・野球肘について
野球肩・肘とは投球動作によって生じた肩や肘の痛みの総称で、使い過ぎ症候群=スポーツ外傷の1つです。
今回はその野球肩や野球肘の中でも良くみられる
「ベネット損傷」
「SLAP損傷」
「肩峰下インピンジメント症候群」
「リトルリーガー肩」
を取り上げたいと思います。
ベネット損傷
ベネット損傷は野球歴の長い選手、特にピッチャーに多く、肩関節の関節窩後下方の骨が増殖してできる骨棘のことを言います。
投球動作により上腕三頭筋長頭腱や後方関節包に繰り返し牽引力がかかって起こる骨膜反応と言われています。
症状としては無症状のものが多いですが、投球時のコッキング期からフォロースルー期に肩後方の痛みや脱力感があり、外転・外旋運動をすると肩の後ろに痛みが出現します。また、肩関節の内旋の可動域が減少するなどもがあります。
SLAP損傷
SLAP損傷とは、肩関節の関節唇(上腕二頭筋長頭腱付着部)が剥離、断裂する事です。 投球動作の後期コッキングに外転・外旋を強制され発生しやすいとされていますが、リリース期やフォロースルー期の痛みや肘関節伸展位、肩関節外転位で手をついて骨頭がぶつかっての損傷、コンタクトスポーツ中に腕を引っ張られての損傷などSLAP損傷になる原因は様々です。
症状としては、投球時(コッキング期からリリース期にかけて)上腕の挙上回旋時に断裂した関節唇が引っかかり痛みや不安定感がでます。
肩峰下インピンジメント症候群
肩関節のインナーマッスルである腱板などの軟部組織が、肩の動きの中で烏口肩峰アーチ(烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯)に繰り返し衝突することで炎症や変性起こすもののことです。
投球動作のコッキング期から加速期における、肩関節最大外旋位から内旋位に向かうところで、棘上筋腱がこすれて発生します。
肩峰下インピンジメント症候群の症状は肩関節挙上時の痛み(特に腕が肩の高さより上で動かした時の運動痛が特徴的で、肩を使うほど悪化する)、引っかかり感、筋力低下や夜間痛があります。
肩峰下インピンジメント症候群
肩関節のインナーマッスルである腱板などの軟部組織が、肩の動きの中で烏口肩峰アーチ(烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯)に繰り返し衝突することで炎症や変性起こすもののことです。
投球動作のコッキング期から加速期における、肩関節最大外旋位から内旋位に向かうところで、棘上筋腱がこすれて発生します。
肩峰下インピンジメント症候群の症状は肩関節挙上時の痛み(特に腕が肩の高さより上で動かした時の運動痛が特徴的で、肩を使うほど悪化する)、引っかかり感、筋力低下や夜間痛があります。
リトルリーガー肩
リトルリーガー肩は10~15歳の野球の投手に多くみられる上腕骨近位の骨端成長軟骨板の炎症ないし成長期に繰り返し行われる投球動作による上腕骨近位骨端線離開(疲労骨折)のことです。初期では骨端線の拡大や不整ですが進行すると骨端が内後方にすべり、変形を残すこともあるので注意が必要です。
投球動作のフォロースルー期での急激な腕の内転、伸展、内旋により上腕骨近位の骨端成長軟骨板にねじれと張力が加わり発生します。症状としては投球動作時の痛みが主で、圧痛は骨端成長軟骨板の側方に出現します。急性期には熱感も出現します。