大腿四頭筋肉離れについて
大腿四頭筋肉離れの発生機序
大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の肉離れは大腿直筋に多く、股関節伸展位、膝関節屈曲位で筋肉を収縮させた時に発生します。
その他の危険因子として、
- 筋疲労
- 再発
- 柔軟性・コンディショニングの低下
- 不適切なウォーミングアップ
大腿四頭筋肉離れの症状
大腿前面の痛みを感じ、重症度に応じてさまざまな程度の腫脹、皮下出血斑、硬結および膝関節屈曲制限が生じます。皮下出血斑は受傷して24時間以内では現れにくいです。 完全断裂では直後に陥凹を触れる事が多く、大腿四頭筋を収縮する際に断裂した塊を触ることができますが、時間の経過とともに腫脹により触りにくくなるので、24時間以内に確認する必要があります。損傷の程度による分類
筋肉の損傷具合により三段階に分類されます。 Ⅰ度:一般的に軽度な痛みで、筋腱複合体の最小限の損傷。軽い炎症症状として腫脹、浮腫および最小限の筋腱機能低下や可動域制限がみられます。 Ⅱ度:筋力や可動域が制限される筋腱移行部の損傷。 Ⅲ度:非常に大きな負荷による筋腱移行部の断裂。大腿四頭筋肉離れの治療法
初期治療はRICE処置です。 R:REST(挙上) I:ICING(冷却) C:COMPRESSION(圧迫) E:ELEVATION(挙上) の順に行います。 荷重歩行の制限、圧迫、挙上と冷却は筋内の出血や腫脹の量を減らすのに有効です。急性期が過ぎたら関節可動域訓練、温熱療法、ストレッチおよび等尺性、等張性収縮運動など組み合わせて行います。当院の治療方法
まずエコーを使ってどのくらい筋肉が損傷しているのかを確認し、あまりにも損傷の酷い場合には紹介状をお渡しして病院を受診して頂きます。損傷の小さい場合は3D MENSという神経や筋肉を興奮させない特殊な電気を使って治癒促進を促します。
受傷直後の損傷部位に手技やストレッチを入れてしまうと炎症や損傷が強くなってしまうので、周りの硬くなっている筋肉を緩めたりして大腿四頭筋に負担のかからないよう、身体を調整していきます。 また、筋肉を修復しやすくする為に筋繊維を寄せるようなテーピングを貼っていきます。